朝鮮半島と安全保障

尖閣列島問題が、沈静化しないうちに、北朝鮮による延坪島砲撃で、朝鮮半島に緊張が高まり、米軍厚木基地がある、私が住む大和市も、騒がしくなっている。ことほど左様に、われわれの日常生活は、日本周辺地域の安定・平和と深い関連がある。北朝鮮は、2000台の遠心分離機が稼働し、濃縮ウランの製造を行っていると発表し、その技術の高さを誇っていたが、さらにエスカレートするとは、迷惑な話である。
 中国、朝鮮半島、日本は、一衣帯水の地域であり、その交流は、2000年の歴史があり、さらにその影響度は、さらに高まっている。2000年の歴史のなかでは、日本は、中国、朝鮮から多くを学び、発展してきた。しかし、現在は、人材、技術、資本など日本から出てゆくものが増えている。これらのことは、長い歴史を考えれば、北東アジア地域の発展と安定に貢献する日本とも言え、画期的なことであるが、北東アジアの現状を見ると、手放しで喜んでいるわけにもゆかない。北朝鮮は、所謂、貿易禁止国であり、中国は、非ホワイト国である。交流には、何かと、制約が伴い、ルールを守ることが、義務つけられている。

 企業では、安全保障貿易を経営リスクの重要課題と位置付け、ルール化し、内部統制を図っているが、大学では、如何であろうか。
 多くの留学生を受け入れ、国際貢献することは、閉鎖的である日本社会を変える良いチャンスであるが、技術流出し易いという側面を持つ。物理学的にいえば、作用・反作用の法則であり、そのバランスが、重要となる。羹に懲りてなますを吹く喩があるが、火傷をしないようにすることも必要である。

 そのためには、学内に身の丈に合ったマネジメントシステムを構築することが重要である。システムは、厳格化すれば、形式的となり、緩くすれば、抜け落ちも生ずる。一口にマネジメントシステムというが、そのありようは、千差万別であり、自らが、経験により管理レベルを向上させるものである。大学における安全保障貿易に関するマネジメントシステム構築は、最も難しいテーマであろう。
 大学には、マネジメントシステム論を専門とする先生もいらっしゃるであろうが、その理論を、自らの大学で実用化できるかどうか、興味深い。
 大学における安全保障貿易マネジメントシステムの構築は、システム論の良いテーマではないだろうか。企業でのマネジメントシステム構築の経験者との協働作業も有効ではないだろうか。研究会の立ち上げを提案する。