無人飛行機(ドローン)

最近各種の展示会会場で小型の無人飛行機のデモをよく見かける。その際「名前は?」と聞くとその答えは、ドローン、マルチコプター、マルチローターヘリコプター、飛行ロボット等様々である。そういえば漫画でタケコプターというのもありました。

外為法で無人飛行機は大量破壊兵器(ミサイル)に属し、次のいずれかのものである。
(1)航続距離が300Km以上のもの
(2)エアゾールなどの液体(ペイロード)を20リッター以上運搬でき、自律的な飛行制御又は視認範囲を超えて人が飛行制御できるもの(娯楽又はスポーツ用の模型飛行機は除かれる。)
前者は大型の飛行機で、文字通り大量破壊兵器として規制される。後者は農薬散布などに使用されるヘリコプターがあるが、視認範囲が限定され、動力源(電池)の容量等からペイロードに限界があるため武器としては限定的である。

さらに無人飛行機以外にも外為法ではロボットの項目での規制があるが、耐放射線性や特殊使用環境の規定があるので、この規制は飛行物体には馴染まないと云える。
ここで問題にしたいのは通称「ドローン」と呼ばれる種類の無人飛行機で、最近、4枚のケースなど複数のプロペラを持ちパソコンで飛行制御出来る小型のものが開発され、高性能、低コストの多種多様のものが市場に出始めた
。実用使用法としては空中飛行撮影(小型カメラ搭載)、農薬散布(液体搭載)があり、御嶽山噴火の際の降灰の確認や福島原発の放射線が高い地域での調査に役立っている。これを娯楽やスポーツ用で使用している場合も問題ない。しかし、小型で武器に該当しなくてもテロに使用されると非常に危険であり、最近ホワイトハウス内に落下したこともありひと騒動があった。
攻撃者が遠方で姿を隠し、劇薬や爆薬を無人で目的地に運び、遠隔操作で攻撃する可能性がある。

そこで次の2つの提案をしたい。一番目は小型の無人飛行機に正式な名前を付けることである。これにより大量破壊兵器と明確に区別することである。二番目は小型無人飛行機の使用を法律で規制することである。米国では連邦航空局が商用ドローンの規制法案を策定する動きがあり、機体重量、飛行高度、操縦者資格が検討されている(日経BP)が、実施までに時間が掛かりそうである。
国内でも「ドローンについてルールと法の整備を急げ」との朝日新聞(2015年2月27日)の提言がある。
技術の発展と実用面での応用が急展開しており、今年5月には「第1回国際ドローン展」が開催される予定になっており、応用面での進展は早い。法対応が追い付いていないのが現状である。テロ等の実害が発生しないうちに規制の枠を決めていく必要があると考える。(八若記)