H27年度安全保障貿易管理研修会(CISTEC)の報告

[名称] 海外法制度シリーズ<米国再輸出規制(EAR)> 基礎~中級
[日時]2015年12月22日(火) 9:30~17:00
[内容]

1.米国再輸出規制の基礎(BIS Update情報を含む)講師:田上靖主任研究員(CISTEC)

説明テーマ:

  1. EARの特徴、遵守必要性及び違反動向
  2. BIS Update 2015の最新動向
  3. EAR理解のために有益なWeb上の資料
  4. 輸出・再輸出及びEAR対象品目
  5. 一般禁止事項(許可要否、キャッチオール規制)
  6. みなし(再)輸出規制

注目点:

  1. DPL(Denied Persons List)掲載者の国・地域:ホワイト国の掲載者が多い。
  2. キューバは、7月22日EAR改正によりテロ支援国(E:1国)指定解除
  3. イラン向け特別規制法令(JCPOA)合意:緩和時期は早くて2016年
  4. 見なし再輸出(Deemed Reexport)の開示(release)とは、目視確認による開示も含む。

2.再輸出規制の実務…規制品目リストの使い方・許可例外及び許可可否の判断 講師:新留 二郎氏(CISTEC)

内容:

  1. 国再輸出規制(EAR)の遵守事項
  2. 再輸出許可要否の判定
    ◆CCLとカントリーチャートによる判定
    ◆規制対象品目に基づく判定
    ●米国原産品目
    ●米国製品組込品
    ●直接製品製品
    ●米国原産技術。ソフトウエア
  3. 米商務省への輸出許可申請

注目点:

  1. 判定演習:規制品目リストの見方、CCLとCCによる判定、許可例外
    許可例外:CCLに適用可否が記載・不記載の許可例外あり、STAの記載例、APRの適用例について演習
  2. 原産品の再輸出:大統領令で、クリミア地域が懸念国扱いにEAR99、○○99○、○○999、の品目:クリミア地域が許可対象

3.再輸出規制のケース・スタディ 講師:福井 誠司氏(NEC)

目次:

  1. EARの対象品目
  2. 組込品
  3. 組込比率の計算省略
  4. カントリー・グループ
  5. オープンソースの扱い
  6. 暗号製品の再輸出

注目点:

  1. 二重組込製品:EAR対象外 (米国製品を組込みの製品を更に組込むこと。)
  2. オープンソースコードについて:WEB上で公開されている米国製暗号ソースコードをダウンロードし、これをコンパイルして暗号ソフト(オブジェクトコード)を作成。→EARの対象であるが、このソフトは許可例外ENCを適用して、再輸出できる。

 

[備考]

  • 今回の講習会の対象は基礎から中級であり、内容は基本的なことが多く、理解できた。
  • 疑応答の内容は、込み入った内容が多く理解不十分。(解答:大半はジャーナルへ先送り。)

八若 洋平