EAR改正:新規許可例外ACEについて

BIS(米国商務省・産業安全保障局)は2022年5月に、EARのPart 740.22として新たな許可例外(License Exceptions)のACE(Authorized Cybersecurity Exports)を追加した。

これに先立ち2022年3月にBISは、ワッセナーアレンジメントに基づきコンピュータやネットワークがサイバー攻撃される際に使用される不正侵入(intrusion)用品目の輸出規制を強化している。これらの品目はデュアルユースされるので、B-1国向け輸出にはACEにて対応可能として現実的な解決を図ったものと思われる。すなわちサイバーセキュリティ品目に関する輸出規制の一部を、許可例外ACEにより緩和したのである。   

以下に許可例外ACEの適用範囲について、対象品目と需要家の2点を整理する。

  1. 対象となるサイバーセキュリティ品目:
    • ACEの対象となるECCN番号は、分類4及び分類5の下記10品目である。
    • 分類5はPart 1の通信に関係する品目であって、Part 2の情報セキュリティの品目は含まれていない。

      分類4(コンピュータ)

      5(通信)

      4A005

      5A001.j

      4D001.a

      5B001.a

      4D004

      5D001.a

      4E001.a

      5D001.c

      4E001.c

      5E001.a

  2. 需要家規制:
    下記2つのカントリーグループの需要家への輸出には、許可例外ACEは使用できない。
    ①E-1、E-2国向け
    ②カントリーグループD1~5国の政府系最終需要者向け(一部例外あり。)

以上

横堀勝一