ロボットと外為法の対応

最近RPAと云う略号をよく見かける。RPAとは Robotic Process Automation の略であり、ロボットが関連する技術と共に注目される時代になっていることを示している。

元々ロボットという言葉はチェコの作家が作り出した造語である。SF作家アシモフは以前に「ロボティックス三原則」を打ち出し、ロボットは人間に危害を加えてはならない、また、その危害を見過ごすことによって、人間に危害を及ぼしてはならないと云っている。将来を見据えた示唆に富んだ見解である。この「ロボティックス」とはロボット工学と訳されている。(以上、日経新聞5月13日号より引用)

有名なロボットとしてホンダの「アシモ」があり、アシモは人間の形・機能を有している。一方、工場の現場で使用されているロボットは溶接や塗装などの機能を絞った形態のものがある。また「マッスルスーツ」と呼ばれ、人間の動作に要する力を軽減する機能のウエラブルロボットもある。最近注目されている「全自動運転車」などは、ロボットというより別個の新しいジャンルのものと定義する方がよい物もある。

ロボットが平和目的のために使用されるために、外為法ではロボットとしていろいろな面から規制がある。規制されている項目として、第2項(原子力)、第6項(材料加工)、第12項(海洋関連)、第14項(その他)と多岐の貨物にわたっている。従って、まずロボットの用途を見極めること、及びその仕様を把握することが必要になる。加えてロボットの部分品の規制もあるが、一方、操縦ロボット等除外されるロボットもあり、ロボットの該非判定は単純ではない。

更にロボットにはRPAのA(オートメーション)の機能が付いているので、ロボット本体(貨物)だけでなく、その動作を制御するコントローラーとソフトウエア(技術)も含まれ、これらについても該非判定をする必要がある。従って、一口にロボットと言ってもその該非判定をするためには複雑な検討が必要で、技術的専門知識を有する部門やグループに委託するのが望ましい。

これからはロボット(R)の時代、しかも今年から令和(R)の時代となり、「Rの時代」が始まることを念頭に置き、該非判定業務を含め、当CP&RMセンターの活躍の場が広がることを期待したい。

八若洋平