安全保障貿易管理 技術用語解説集 No.5-3「工作機械 フライス盤 フライス削り/フライカッティング」

用語
項番
工作機械
フライス盤
フライス削り/フライカッティング
2-12省14、解2 2-12省14、6-2省2、解2、解6/6-2省2
フライス盤・マシニングセンタ

フライス盤(milling machine)は、正面フライス、エンドミル、溝フライス等のフライス工具を回転 させて切削運動とし、工作物との

相対運動をX、Y、Z の送り軸で与えて切削加工する機械である。主軸 の方向によって立て形と横形があり、テーブルの支持方法によってひざ形とベッド形がある。例えば、最 もはん用的なひざ形横フライス盤(図8)(1)では、上下に運動するニー(ひざ)に支えられたテーブルが前 後左右に動くことができる。大形の工作物を加工でき、平削り盤と同様の構造をもつフライス盤はプラノ ミラー(図9)(1)と呼ばれる。

マシニングセンタ(machining center)は回転工具 を使用し、工具の自動工具交換装置(ATC : automatic tool changer)を備え、工作物の付替えなしに、フラ イス加工、穴あけ、ドリル、タップ、リーマ、中ぐり 等の加工を行うことができる多機能形の数値制御工作 機械である。機械構造の違いにより、主軸が水平の横 形マシニングセンタ(図10)(1)、垂直の立て形マシニン グセンタ(図11)(1)、門形構造のコラムをもつ門形マシ ニングセンタに分類される。立て形は板状や金型など の工作物の加工に向いており、横形はB 軸をテーブル に取付けることにより箱形の工作物の加工が可能とな る。また自動パレット交換装置(APC : automatic pallet changer)を付加することにより、工作物の付 替え時間を短縮することが可能であり、自動化・省力 化のレベルを向上することができる。

B 軸に加えてA 軸を備えた5軸マシニングセンタで は、多面(多自由度)加工やインペラのような複雑な 自由曲面をもつ工作物の加工が行える。代表的な構成 として、テーブル側にチルティング機構(図12)をも つタイプと、主軸ヘッド側にチルティング機構(図13 )をもつタイプ等がある。このようにマシニングセン タは、APC や多軸化により自動化・省力化のレベルを 向上させることができる点が最大の長所である。